涼しい風が頬を撫でる秋の夜長、皆さんはぐっすりと眠れていますか?
夏の疲れが残っているこの時期だからこそ、質の良い睡眠で体をしっかりと回復させたいものです。
「食欲の秋」という言葉がありますが、実は秋の旬の食材には、私たちの睡眠の質を高める栄養素がたっぷりと含まれているのをご存知でしょうか。
今回は、寝具の専門店「ねごこち本舗」が、秋の味覚を活用した安眠レシピをご紹介します。美味しく食べて、心地よい眠りを手に入れましょう!

🍎 秋の味覚が持つ「自然の睡眠薬」とは?
秋が旬の食材には、睡眠の質を向上させる「天然の睡眠成分」が豊富に含まれています。その代表格が「トリプトファン」という成分です。トリプトファンは体の中で「セロトニン」という幸せホルモンに変わり、さらに夜になると眠気を誘う「メラトニン」というホルモンに変化します。
例えば、秋に美味しいさんまには、このトリプトファンがたっぷり。また、きのこ類にはビタミンB群が豊富で、これが神経の働きを整えて、リラックス効果をもたらします。さつまいもに含まれる食物繊維は腸内環境を整え、腸と脳はつながっているため、良い腸内環境は質の良い睡眠につながるのです。
これらの食材を夕食に取り入れることで、自然な眠気を促し、深い眠りを得ることができます。まさに秋の味覚は、美味しさと安眠効果を兼ね備えた「自然からの贈り物」と言えるでしょう。

🐟️ さんまで作る「ほっこり安眠和定食」
脂の乗った秋のさんまは、トリプトファンとDHA・EPAが豊富な理想的な安眠食材です。さんまの塩焼きにひと工夫加えて、より睡眠効果を高めるレシピをご紹介します。
まず、さんまは塩を振って30分ほど置き、余分な水分を取り除きます。その後、グリルで皮がパリッとするまで焼きます。付け合わせには、大根おろしをたっぷりと。大根おろしの酵素が消化を助け、就寝前の負担をやわらげてくれることがあります。
さらに、きのこの味噌汁を組み合わせましょう。しいたけやしめじ、えのきなどお好みのきのこを使い、だしの効いた味噌汁に。きのこのビタミンB群と温かい味噌汁のやさしい香り、発酵食品ならではの風味が、気分を落ち着かせてくれることがあります。
ご飯は雑穀米にすると、さらに栄養価がアップ。この組み合わせで、体も心も満足する「ほっこり安眠和定食」の完成です。
食べる時間は就寝の3時間前がベスト。ゆっくりと味わいながら食べることで、副交感神経が優位になり、自然な眠気を誘います。
さんまの塩焼き(大根おろし添え)
調理時間: | 分量:2人分
材料
- 生さんま…2尾
- 塩…小さじ1/2
- 大根…200g(おろす)
- すだち(あれば)…適量
作り方
- さんまは両面に塩をふり、30分おいて出た水分をペーパーでふく。
- グリル(またはフライパン)を中強火で温め、皮目から4〜5分焼く。裏返して3〜4分。
- 大根をおろし、軽く水けを切る。器に盛り、すだちを添える。
コツ
- 下処理で水分と臭みを抜くと、皮がさらにパリっと仕上がります。
- 表面が8割ほど焼けたら、弱火で1〜2分“休ませる”とふっくら。
- 大根おろしが辛いときは、5分ほど置くと辛味がやわらぎます。
睡眠メモ:魚のたんぱく質は夜の満足感を高めてくれることがあります。夕食は就寝2〜3時間前が目安です。
きのこの味噌汁
調理時間: | 分量:2人分
材料
- だし…400ml
- 好みのきのこ(合計)…120〜150g
※しめじ・えのき・エリンギは多めでもOK/舞茸・しいたけは少なめが目安 - 味噌…大さじ1.5〜2
- ねぎ…少々
作り方
- 鍋でだしを温め、ほぐしたきのこを入れて2〜3分煮る。
- 火を止め、味噌を溶き入れる。器に盛り、ねぎを散らす。
コツ
- 味噌は沸騰させないことで香りと風味をキープ。
- 舞茸・しいたけ中心なら130g未満にすると香りが出すぎません。
- きのこから出る水分で薄く感じたら、ふたを外してひと煮立ちで調整。

🍄 きのこたっぷり「リラックスポタージュ」
きのこ類は「森のビタミン剤」とも呼ばれるほど栄養豊富で、特にビタミンB群が豊富です。このビタミンB群は神経の働きを整え、ストレスを和らげる効果があります。そんなきのこを使った、心も体も温まるポタージュレシピをご紹介します。
材料は、しいたけ、しめじ、エリンギなどお好みのきのこ200g、玉ねぎ1個、じゃがいも1個、牛乳200ml、コンソメ、塩こしょう。まず、きのこと玉ねぎ、じゃがいもを薄切りにします。鍋にバターを溶かし、玉ねぎを炒めて甘みを引き出します。続いてきのこを加え、しんなりするまで炒めます。
じゃがいもと水、コンソメを加えて15分ほど煮込んだら、ミキサーでなめらかにします。鍋に戻して牛乳を加え、塩こしょうで味を整えれば完成です。仕上げに刻んだパセリを散らすと、見た目も美しく仕上がります。
このポタージュの素晴らしいところは、温かい飲み物が体温を一時的に上げ、その後下がる時に自然な眠気を誘うこと。寝る2時間前に飲むのがおすすめです。
きのこたっぷりリラックスポタージュ
調理時間: | 分量:2〜3人分
材料
- きのこ(合計)…180〜220g
※舞茸・しいたけ中心なら150〜180g程度に - 玉ねぎ…1個(約150g)
- じゃがいも…中1個
- バター…10g
- 水…350〜400ml
- 牛乳…200ml
- 顆粒コンソメ…小さじ1
- 塩・胡椒…各少々
作り方
- 鍋でバターを溶かし、薄切りの玉ねぎを弱めの中火で甘みが出るまで炒める。
- きのこ・角切りのじゃがいも・水・コンソメを加え、じゃがいもが柔らかくなるまで15分煮る。
- 粗熱を取り、ブレンダーでなめらかにして鍋に戻す。牛乳を加え、沸騰させずに塩胡椒で調える。
コツ
- きのこは最初に2〜3分“蒸し炒め”して水分を飛ばすと、香りが立ち味がボケません。
- とろみが強い場合は牛乳を+50〜100mlで伸ばす。薄い場合はふた無しで数分煮て調整。
目安:きのこは“軽く詰めて”2〜2.5カップ(容積)程度。

🍠 さつまいもで作る「ほんのり甘い安眠スイーツ」
さつまいもは食物繊維が豊富で、腸内環境を整える効果があります。また、自然な甘みがセロトニンの分泌を促し、心を落ち着かせてくれます。そんなさつまいもを使った、罪悪感のない安眠スイーツをご紹介します。
「さつまいもの豆乳プリン」は、さつまいも200gを蒸して裏ごしし、豆乳300ml、砂糖大さじ2、ゼラチン5gと混ぜて冷やし固めるだけの簡単レシピ。豆乳に含まれるトリプトファンも加わって、快眠をそっと後押ししてくれるかもしれません。
また、「焼きさつまいもヨーグルト」もおすすめ。オーブンで焼いたさつまいもに、プレーンヨーグルトとはちみつをかけるだけ。ヨーグルトの乳酸菌が腸内環境を整え、はちみつのやさしい甘みが満足感を高め、寝る前のリラックスにつながることがあります。
これらのスイーツは、夕食後のデザートとして楽しむのがベスト。甘いものを食べることで幸せホルモンのセロトニンが分泌され、自然と心が落ち着いてきます。ただし、食べ過ぎは胃に負担をかけるので、適量を心がけましょう。
さつまいも豆乳プリン(ゼラチン)
調理時間:15分+冷やし2〜3時間 | 分量:3〜4個分
材料
- さつまいも(裏ごし)…200g
- 豆乳…300ml
- 砂糖…大さじ2
- 粉ゼラチン…5〜7g
- 水(ふやかし用)…大さじ2
- バニラエッセンス…少々
作り方
- 粉ゼラチンは水でふやかす。豆乳と砂糖を人肌(50〜60℃)に温め、ゼラチンを完全に溶かす。
- 裏ごしさつまいも・バニラを加えてよく混ぜる。
- ボウル底を氷水で冷やしながらとろみがつくまで混ぜ、型に流し入れて冷蔵庫で冷やし固める。
コツ
- しっかり固めたい場合はゼラチンを6〜7gに。
- 氷水で少し冷やしてから流すと二層化しにくいです。
- 甘さははちみつ少量で風味足しも◎(就寝直前は量控えめに)。
焼きさつまいもヨーグルト
調理時間:約10分(焼き芋は別途) | 分量:2人分
材料
- 焼き芋…中1本
- プレーンヨーグルト…200g(好みで水切り)
- はちみつ…小さじ1〜2
- シナモン…少々(お好みで)
作り方
- 焼き芋は粗熱を取り、一口大に切る。
- 器にヨーグルトを盛り、焼き芋をのせ、はちみつとシナモンをかける。
コツ
- ヨーグルトは水切りにすると水っぽくならず満足感アップ。
- はちみつは小さじ1程度でも十分な甘さに。

☕ 「秋の快眠ハーブティー」で一日の締めくくり
食事と合わせて取り入れたいのが、安眠効果のあるハーブティーです。秋の夜長にぴったりの、心を落ち着かせるハーブティーブレンドをご紹介します。
カモミールは「大地のりんご」とも呼ばれ、リラックス効果が高いハーブの代表格。ラベンダーは香り成分に鎮静作用があり、不安や緊張を和らげます。パッションフラワーは「天然の精神安定剤」とも言われ、心配事で眠れない時に特に効果的です。
これらを1:1:1の割合でブレンドし、熱湯で3分ほど蒸らします。お好みではちみつを加えると、より飲みやすくなります。また、秋らしさを演出するなら、シナモンやオレンジピールを少し加えても良いでしょう。
ハーブティーを飲む時間は、就寝の1時間前がベスト。温かい飲み物で体を温めながら、ハーブの香りでアロマテラピー効果も得られます。ゆっくりと味わいながら飲むことで、一日の疲れやストレスを洗い流し、穏やかな気持ちで眠りにつくことができるでしょう。
ナイトハーブティーブレンド(カモミール/ラベンダー/パッションフラワー)
抽出:熱湯250ml・3〜5分 | 配合:1:1:1(合計 小さじ1.5〜2)
作り方
- ティーポットにブレンド(計 小さじ1.5〜2)を入れ、熱湯250mlを注ぐ。
- 3〜5分蒸らし、濃い場合は抽出時間を短くして調整する。
- お好みではちみつ小さじ1/2ほどでやさしく甘みづけ。
コツ
- 就寝1〜2時間前のリラックスタイムに。
- 妊娠・授乳中、持病や服薬のある方は使用前に医師・薬剤師へご相談を。

☑ まとめ
秋の味覚を活用した安眠レシピをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。さんま、きのこ、さつまいもなど、秋に美味しい食材には、私たちの睡眠をサポートする栄養素がたくさん含まれています。
大切なのは、これらの食材を上手に組み合わせて、バランスの良い食事を心がけること。そして、食事の時間や食べ方にも気を配ることで、より効果的に安眠効果を得ることができます。
美味しい食事で体を満たし、質の良い睡眠で心と体を回復させる。この好循環を作ることで、秋から冬にかけての季節の変わり目も、元気に乗り切ることができるでしょう。
※体調や持病、お薬との飲み合わせには個人差があります。妊娠・授乳中の方、持病のある方、服薬中の方は、ハーブ類(カモミール・ラベンダー・パッションフラワー等)や新しい食材を取り入れる際は、かかりつけ医・薬剤師にご相談ください。食物アレルギー(大豆・乳・魚など)にもご注意ください。