暑い夏は、湯船につからずシャワーだけで済ませたくなる方も多いのではないでしょうか🚿
「夏はシャワーだけでも睡眠に影響はないの?」「寝る前にお風呂に入るなら、何時ごろがいい?」と気になっている方もいるでしょう。
シャワーだけでも汗や汚れを流して、さっぱりとした状態で眠ることはできます。ただし、最近寝つきが悪いと感じている場合は、ぬるめのお湯につかって体を温めることが、眠る準備を整えるきっかけになる可能性があります。
今回は、夏のシャワーと睡眠の関係や、寝つきを整えるための入浴のタイミング、温度、お風呂上がりの過ごし方について紹介します🫧

暑い日はなぜシャワーだけで済ませたくなる?
夏は日中から気温が高く、帰宅した時点ですでに体に熱がこもっているように感じることがあります。
そのため、「これ以上体を温めたくない」「湯船につかると汗が止まらなくなりそう」と考え、短時間のシャワーだけで入浴を済ませたくなるのは自然なことです。
夏の入浴には、次のような負担も感じやすくなります。
- 浴室や脱衣所が暑い
- 入浴後に汗をかきやすい
- お湯をためるのが面倒に感じる
- 就寝時間が遅くなってしまう
- 長く入るとのぼせや疲れを感じる
無理をして毎日湯船につかる必要はありません。疲れている日や帰宅が遅くなった日は、シャワーだけで手早く済ませ、睡眠時間を確保することも大切です。
ただし、シャワーだけの日が続き、寝つきにくさや疲れの残りを感じている場合は、入浴方法を少し見直してみてもよいでしょう。

夏はシャワーだけでも睡眠には問題ない?
シャワーだけでも、汗や皮脂を洗い流し、肌のべたつきや不快感を軽減できます。さっぱりすることで気持ちを切り替えやすくなり、就寝前の習慣として役立つ方もいるでしょう。
一方、寝つきを整えるという点では、シャワーよりも湯船につかったほうが、体を温めやすいと考えられます。
20~50代の男女23人を対象に自宅で行われた研究では、就寝1時間半~2時間前に約40℃のお湯で入浴した場合、シャワーだけの場合と比べ、長めに浴槽につかった条件で寝つくまでの時間が短くなり、主観的な睡眠の評価も高くなりました。ただし、参加人数が限られた研究であり、効果の感じ方には個人差があります。
シャワーだけでは眠れないというわけではありませんが、寝つきが気になる日は、無理のない範囲で湯船につかる方法を試してみる価値はありそうです。

入浴後に体温が下がる流れと眠気の関係
人の体は、眠る前になると手足などから熱を逃がし、体の内部の温度である深部体温を徐々に下げていきます。
湯船につかると、入浴中に体が温まります。その後、お風呂から上がると皮膚から熱が放出され、上がった体温がゆっくりと下がっていきます。この体温の変化が、自然な眠気につながると考えられています。
複数の研究をまとめた分析では、寝る1~2時間前に温かいシャワーや入浴で体を温めることが、寝つくまでの時間の短縮や、主観的な睡眠の質と関連していました。
ただし、熱いお風呂に長時間入れば、それだけ眠りやすくなるわけではありません。体が熱くなりすぎると、汗が引かなかったり、かえって目がさえたりすることがあります。
夏は特に、心地よく感じる範囲で体を温めることがポイントです。

寝る前の入浴は1~2時間前を目安に
寝つきを良くするために入浴するなら、寝る直前ではなく、就寝予定時刻の1~2時間前をひとつの目安にしましょう。
たとえば、23時に寝る場合は、21時から22時ごろまでに入浴を終えておくイメージです。
入浴直後は、まだ体温が高く、汗も出やすい状態です。お風呂から上がってすぐ布団に入ると、寝具の中が蒸れたり、暑さで寝苦しくなったりすることがあります。
入浴から就寝までに少し時間を空けることで、汗を落ち着かせながら、体温が下がっていく流れを作りやすくなります。
ただし、帰宅が遅くなった日は、入浴時間を確保するために就寝を遅らせる必要はありません。短めのシャワーで済ませ、睡眠時間を優先しましょう。

夏の入浴温度は38~40℃程度を基本に
夏のお風呂は、38~40℃程度のぬるめのお湯を基本にしましょう。
熱いお湯を好む方もいますが、42℃以上の熱いお湯は体への負担が大きくなりやすく、交感神経の働きが高まって、かえって目がさえてしまう可能性があります。健康・体力づくり事業財団の「健康ネット」でも、睡眠を考えた入浴には40℃ほどのややぬるめのお湯が紹介されています。
夏は外気温や室温も高いため、無理に40℃に設定する必要はありません。38℃前後から試し、「熱すぎず、寒すぎず、心地よい」と感じる温度に調整してください。
入浴時間は、10~15分程度をひとつの目安にします。半身浴にこだわらず、肩までつかる場合も、のぼせない範囲で切り上げましょう。
次のようなときは、無理に湯船につからず、シャワーだけにすることも大切です。
- 体調がすぐれないとき
- 強い疲労や眠気があるとき
- 飲酒後
- めまいやふらつきがあるとき
- 浴室や脱衣所の暑さが厳しいとき
持病がある方や医師から入浴方法について指示を受けている方は、その指示を優先してください。

シャワーだけの日は体を冷やしすぎないように
シャワーだけで済ませる日は、冷たい水だけを長く浴びるのではなく、心地よく感じる温度のお湯を使いましょう。
暑いからといって体を急激に冷やすと、一時的には涼しく感じても、体が冷えすぎたり、緊張がほぐれにくかったりすることがあります。
寝る前のシャワーでは、首まわりや肩、背中、足などに温かいお湯をゆっくり当てるのがおすすめです。浴槽につかる時間がない日でも、体を洗いながら少しずつ温めることで、気持ちを落ち着かせやすくなります。
シャワー後も汗が続く場合は、すぐにパジャマを着込まず、涼しい部屋で汗が落ち着くのを待ちましょう。

お風呂上がりは忘れずに水分補給を
夏は、日中の暑さだけでなく、入浴中の発汗によっても水分を失います。
お風呂から上がったあとは、のどの渇きを強く感じていなくても、水やノンカフェインのお茶などで水分を補給しましょう。環境省も、寝る前や入浴の前後など、のどが渇く前の水分補給を呼びかけています。
一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯程度をゆっくり飲む方法がおすすめです。
アルコールは水分補給にはなりません。また、カフェインを含むコーヒーや濃い緑茶、エナジードリンクなどは、寝る前には控えたほうがよいでしょう。
大量に汗をかいた場合や体調に異変がある場合は、涼しい場所で休み、必要に応じて適切な水分・塩分補給を行ってください。

入浴後の汗を吸いやすいパジャマを選ぶ
お風呂上がりは、一度汗が引いたように感じても、体の内側に残った熱によって再び汗をかくことがあります。
汗や湿気がパジャマの中にこもると、肌に生地が張りついたり、寝返りの際に不快感が生じたりする原因になります。
夏のパジャマは、次のような点に注目して選びましょう。
汗を吸いやすい
寝汗をかきやすい季節は、汗を吸い取りやすい生地が向いています。綿やガーゼ素材のほか、吸汗・速乾性を備えた生地も選択肢になります。
ゆとりがあり、風が通りやすい
体にぴったりと密着するものより、適度にゆとりがあるパジャマのほうが、生地と肌の間に空気が通りやすくなります。
肌に張りつきにくい
汗をかいたときのべたつきが気になる方は、表面に凹凸がある生地や、さらりとした肌ざわりのものを選ぶとよいでしょう。
「半袖なら涼しい」とは限りません。エアコンによる冷えが気になる方は、通気性のよい薄手の長袖や七分袖も選択肢になります。

寝具も汗と湿気をためにくいものに
パジャマだけでなく、肌に触れる寝具も夏の寝つきに関係します。
入浴後に体温が下がろうとしても、布団の中に熱や湿気がこもっていると、暑さを感じて眠りにくくなることがあります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、夏は高温・多湿な寝室環境が、寝つきや睡眠の持続を難しくする一因として挙げられています。
夏の寝具は、次のようなポイントから選びましょう。
- 汗を吸いやすい敷きパッドやシーツ
- 湿気を逃がしやすい素材
- 肌にまとわりつきにくい掛け寝具
- 自宅で洗濯しやすいもの
- 冷房の冷えから体を守れる薄手の掛け寝具
冷感寝具を使う場合も、「冷たさが強いほどよい」とは限りません。冷えやすい方は、吸湿性や肌ざわりとのバランスも確認しましょう。
また、汗を吸った寝具をそのまま使い続けると湿気が残りやすいため、敷きパッドやシーツをこまめに洗い、マットレスや敷布団も定期的に風を通すことが大切です。

まとめ:シャワーと入浴を体調に合わせて使い分けよう
夏は、毎日必ず湯船につからなければならないわけではありません。
疲れている日や帰宅が遅い日は、シャワーだけでさっぱりして、睡眠時間を確保することを優先しましょう。
一方で、寝つきの悪さが気になる日は、寝る1~2時間前を目安に、38~40℃程度のぬるめのお湯につかる方法を試してみるのがおすすめです。
入浴後は水分を補給し、汗が落ち着いてから、吸汗性や通気性に配慮したパジャマに着替えましょう。寝具も汗や湿気をためにくいものに整えることで、入浴後の心地よさを保ちやすくなります。
その日の体調や生活時間に合わせてシャワーと入浴を使い分け、夏の眠りを整える習慣を作っていきましょう。
※寝つきの悪さや夜中に何度も目が覚める状態が長く続く場合、生活習慣だけでなく睡眠障害や体調不良が関係している可能性もあります。無理に自分だけで解決しようとせず、医療機関へ相談してください。